大学院(通学制)

ホーム>大学院>文化財保存修復学研究科

平成29年度以降の学生募集は行いません

通学制 文化財保存修復学研究科 修士課程

教育目標

本研究科では、人類の貴重な遺産である文化財の保存修復と活用に必要な専門性の高い高度な知識と実践的な技術を有する人材の育成を目的とします。具体的には、西洋美術、東洋美術、または歴史的な文書典籍を対象とした保存修復技術者、また物質素材の基礎知識を学び文化財の自然科学的分析調査法を修得して文化財の制作プロセスと素材を研究対象とする文化財修復科学者、あるいは文化財保存修復に係わる知識・技術を修得した博物館学芸員の養成を目標としている。


学びのメリット

  1. 保存修復や分析の第一線で活躍する教授陣から直接指導を受けることができます。
  2. 文化財総合センターの最先端設備で研究、実習を行うことができます。
  3. 地元の美術館や社寺が所有する実物作品・文化財を通して、保存修復技術を学び文化力を身につけることができます。
  4. 日本で初めて大学院単独で開設された博物館学芸員養成課程によって、学芸員資格が取得できます。
  5. 倉敷美観地区に「加計美術館」を加計学園と共同所有しており、研究発表することができます。
  6. 米国ボストン美術館と教育交流協定を締結。例年、海外の美術館や修復機関等へインターン生2名を派遣しています。
  7. 大原美術館と教育交流協定を締結し、見学・実習等を行っています。在学生は大原美術館・岡山県立美術館・岡山県立博物館の常設展示を無料で観覧することができます。

研究科トピックス

近年の新聞記事から

『「泳ぎの後」おかえり!』『「泳ぎの後」美しく』 大原秀行教授
学部生らが昨年度から手掛けてきた石こう作品「泳ぎの後」の修復完了式が(高梁市)富家小学校にて行われた(2015年3月14日山陽新聞・毎日新聞掲載)
『地域に根差した研究活動を発表』 大原秀行教授
「地(知)の拠点シンポジウム」にて市内小学校所蔵の美術作品の修復について報告がなされた(2015年2月24日山陽新聞掲載) 
『李朝の傑作民画公開』 馬場秀雄教授
修復を終えた「四瞳猛虎鵲図」が倉敷民芸館にて公開された(2015年1月3日山陽新聞掲載)
『ドイツでの美術品修復報告』 大学院生
院生2名の「海外インターンシップ報告会」が行われた(2014年11月22日山陽新聞、11月27日毎日新聞掲載)
『美術品修復習得へ独派遣』 大学院生
院生2名が海外にて保存修復技術を学ぶための壮行会を開催。毎年、高梁市学園文化都市づくり協議会の奨励金を受けている(2014年8月2日山陽新聞掲載) 
『岡山空襲地図を修復』 鈴木英治教授
岡山空襲の被害状況地図が修復され、岡山シティーミュージアムにて披露された(2014年6月17日山陽新聞掲載) 
『狩野永祥「恵比寿図」修復』 馬場秀雄教授
学部生卒業研究「恵比寿図」の修復が完了した(2014年2月27日山陽新聞掲載)
『美術品修復の技術紹介』 大学院生
研究科の終了展が加計美術館にて開催された(2014年2月2日山陽新聞掲載)
『「古糊」真冬仕込』 馬場秀雄教授 棚橋映水講師
学生による「寒糊炊き」と呼ばれる掛け軸や巻物用の伝統的文化財修理材料である古糊作りが行われた(2014年1月23日毎日新聞、1月21日山陽新聞掲載)
『海外での美術品修復体験を報告』 大学院生
院生の「海外インターンシップ報告会」が開かれた(2013年11月12日山陽新聞掲載)
『絵画の修復技術指導』
2014年4月大学院文化財保存修復研究科に博物館学芸員養成課程が新設された(2013年10月30日山陽新聞掲載)
『永祥の「恵比寿図」修復へ』 馬場秀雄教授
学部生卒業研究 絵師狩野永祥「恵比寿図」の修復が開始された(2013年5月19日山陽新聞掲載)
『成羽小の油彩画修復へ』 大原秀行教授
学部生卒業研究 故三宅友一さん描いた油彩画「農家」(高梁市成羽小学校所蔵)の修復が開始された(2013年4月23日山陽新聞掲載)
『栄西の肖像画 保存修理完了』 棚橋映水講師
栄西禅師の肖像画(京都・両足院)の修復作業が完了、県立博物館特別展で展示へ(2013年3月28日毎日新聞掲載)
『明庵栄西像の修復作業完了』 棚橋映水講師
現存する日本最古の栄西画像(京都両足院)の修復作業が完了、大学内で特別展観が行われた(2013年3月28日山陽新聞掲載)
『赤外線、顕微鏡で解析』 下山進教授 大原秀行教授
大原美術館「アルピーユの道」の科学調査 ゴッホ作?真相に迫る(2013年9月11日山陽新聞掲載)
『尚武と文雅の家柄を象徴』 守安收教授
「永青文庫 細川家の名宝展」を語る(2013年8月20日山陽新聞掲載)
 

その他


研究テーマと教員名

教授・研究科長 守安 收
教授・研究科長 守安 收

教育面では長年の博物館勤務経験(現在、岡山県立美術館館長兼任)を活かして、現場に強い博物館学芸員の養成をテーマとしている。とりわけ、本研究科の特長である修復の実技や非破壊の文化財調査の訓練を受けた学芸員の配置は、全国の博物館にとって望まれる課題である。研究面では、岡山ゆかりの画家を主対象としてきたが、現在は浦上玉堂とその子春琴・秋琴に関することをメインとしており、「浦上家史編纂委員会」を組織し活動している。

教授 馬場 秀雄
教授 馬場 秀雄

日本と李朝の屏風における紙蝶番比較研究。時代金箔の研究・絵画技法研究。東洋絵画及び書蹟の修復技法研究。

教授 大原 秀行
教授 大原 秀行

麻布を支持体とする近代の油彩画の保存・修復の技術、さらに様々なマテリアルを使用して制作されている現代美術作品の保存・修復の調査・研究。

教授 鈴木 英治
教授 鈴木 英治

紙を基底材とした資料(文書、典籍、紙資料など)の保存・修復技術、および材料、構造、製作技術についての調査・研究を行っており、具体的には、江戸の版本に関わる材料と構造に関わる特質の調査と、幕末の和刻蘭書(長崎版.江戸官版・坊刻版)物質的側面を中心とした調査研究を進めている。

准教授 高木 秀明
准教授 高木 秀明

環境問題が提示される社会にあって、文化財の保存・修復・活用ができるように、今までの保存科学を発展させた内容の研究を行っている。具体的には、(1)大気への放出が少なく、引火性や発火性の低い環境低負荷な保存・修復材料の探索、(2)大がかりな装置設備を利用することなく、文化財の材料科学について、小規模・迅速・その場分析が可能な同定法の開発を行っている。(1)、(2)いずれの研究においても、標準サンプル品を作成・調製し、実験・観察を行い、適用性について検討している。

准教授 大下 浩司
准教授 大下 浩司

絵画や染織に使用されている色材や材料の光応答特性の解明と、これらの非破壊分析法の開発やその応用について研究しています。色材には顔料、染料、レーキ顔料などがあります。そして、絵画や染織に用いられる材料には樹脂、繊維、紙などがあります。これらのX線、紫外線、可視光線、赤外線などの光に対する反射、吸収、透過などの特性を明らかにし、光と色の性質をうまく利用した新規な非破壊分析法の開発と、絵画や染織品の科学調査に取り組んでいます。

講師 棚橋 映水
講師 棚橋 映水

私たちが美術館などで鑑賞している書画などの文化財(書画文化財)である古美術品は、「装潢」という高度な保存修理技術を用いて修復したことによって本来の輝きを蘇らせたものです。現在の装潢技術は、近代の文化財保護の過程で高度に磨き上げられ、作品本来の持つ姿をできるだけ引出し現状を維持し、損傷後を繕うとともに可逆性のある修理技術として確立しています。また、現在の日本画(前衛日本画)においては、新たに保存科学という手法を取り入れながら試行錯誤の過程で研究が進められています。伝統的な手法に加え、新たに保存科学という学問分野も取り入れた手法を用いて、文化財保護や保存についての検証と研究を行っています。


専攻分野とカリキュラム

専攻分野

*文化財保存修復学研究科(修士課程)へ入学する大学院生は、
① 油彩画を中心とする西洋美術と現代美術
② 日本を中心とする東洋の伝統的な膠絵・書蹟と現代日本画
③ 東洋・西洋の文書典籍などを中心とする紙を基底材とした資料
に向き合う以上3分野の修復家コース
そして
④ 非破壊分析を中心に文化財の制作と素材
を調査研究する科学者コース
これら4分野のいずれかを志望に応じて選択します。


*4分野の研究室とは以下の通りです。
① 西洋美術修復研究室(教授・大原秀行)
絵画を主体とする西洋美術品や現代美術品の保存修復作業を実践します。劣化した美術品の修復作業を行うと同時に、修復作業からしか得られない技術の解明に取り組みます。
② 東洋美術修復研究室(教授・馬場秀雄、講師・棚橋映水)
東洋の伝統的な膠絵や書蹟、現代の日本画の修復作業を行って装潢技術の進展に寄与すると同時に、作品制作における技術的側面の解明にも取り組みます。
③ 文書典籍修復研究室(教授・鈴木英治)
紙を基底財とした資料の伝統的な修復技術による作業を行うと同時に、リーフキャスティング(漉き嵌め)、脱酸システム等、科学的な保存処置ができる環境下で取り組みます。
④ 文化財分析調査室(教授・下山進、准教授・高木秀明、准教授・大下浩司)
非破壊分析を中心とした文化財の科学的分析調査を各種理化学装置を駆使して行います。そこから得られた客観性の高い情報提供によって、文化財の修復研究は進展します。


*本研究科には上記①~④の4つの分野の研究室がありますが、大学院生はそれぞれの分野の枠をこえ、連携して文化財の解明と修復に取り組むことができます。また教員は、文化財の保存修復と分析に関する幅広い知識と卓越した技術を提供することを約束します。つまり、研究科では専門的・個別的な「学び」と「実習」を重視しますが、同時に総合的な「学び」の必要性を十分認識してほしいと考えています。


*そうした観点を考慮に入れた上で、大学院生は以下のカリキュラムの中から科目を選択することになります。ちなみに、必修科目の「特別研究Ⅰ」「特別研究Ⅱ」は各人が志望した専門分野における研究です。


カリキュラム

区分 授業科目名 開講年次 単位数 担当者職名 担当者氏名 備考(博物館に関する科目)
共通選択科目 選 択英語コミュニケーション 1・2 2 兼担教授 MERVIO Mika Markus  
選 択文化財学概論 1・2 2 教授 守安 收
教授 馬場 秀雄
教授 鈴木 英治
教授 大原 秀行
准教授 髙木 秀明
准教授 大下 浩司
任意設定科目(必修)
選 択博物館概論 1春学期 2 教授 守安 收 法令上の科目(必修)
選 択博物館資料保存論 1秋学期 2 教授 鈴木 英治 法令上の科目(必修)
選 択西洋美術保存修復特論 1・2 2 教授 大原 秀行  
選 択東洋美術保存修復特論 1・2 2 教授 馬場 秀雄  
選 択文書典籍保存修復特論 1・2 2 教授 鈴木 英治  
選 択西洋絵画技法特論 1・2 2 非常勤講師 横内 賢太郎  
選 択東洋絵画技法特論 1・2 2 講師 棚橋 映水  
選 択美術工芸文化財学特論 1・2 2 教授 守安 收 任意設定科目(選択)
選 択文化財無機材料特論 1・2 2 准教授 髙木 秀明 任意設定科目(選択)
選 択文化財有機材料特論 1・2 2 准教授 大下 浩司 任意設定科目(選択)
選 択文化財非破壊分析法特論 1・2 2 教授 下山 進 任意設定科目(選択)
選 択文化財分析実習 1・2 2 准教授 髙木 秀明
准教授 大下 浩司
 
必修科目 必 修特別研究Ⅰ 1 6 指導教員 教授 守安 收
指導教員 教授 鈴木 英治
指導教員 教授 馬場 秀雄
指導教員 教授 大原 秀行
指導教員 准教授 髙木 秀明
指導教員 准教授 大下 浩司
指導補助教員 講師 棚橋 映水
 
必 修特別研究Ⅱ 2 6
修了単位数は、必修12単位、選択18単位以上、合計30単位以上とする。

2015年度予定


博物館学芸員に関する科目

区分 授業科目名 開講年次 単位数 担当者職名 担当者氏名 備考(博物館に関する科目)
博物館学芸員に関する科目 生涯学習概論 1春学期 2 兼担講師 倉知 典弘 法令上の科目(必修)
博物館資料論 1秋学期 2 教授 守安 收 法令上の科目(必修)
博物館経営論 1秋学期 2 教授 守安 收 法令上の科目(必修)
博物館展示論 2春学期 2 教授 守安 收 法令上の科目(必修)
博物館教育論 2春学期 2 教授 守安 收 法令上の科目(必修)
博物館情報・メディア論 2春学期 2 非常勤講師 古川 文子 法令上の科目(必修)
博物館実習 2春学期集中 3 教授 守安 收
教授 馬場 秀雄
教授 鈴木 英治
教授 大原 秀行
准教授 髙木 秀明
准教授 大下 浩司
法令上の科目(必修)
博物館学芸員の資格の取得を希望する者は、法令上の科目19単位および任意設定科目の必修および選択より4単位(2科目以上)以上、合計23単位以上修得しなければならない。

注1.本票の「博物館学芸員に関する科目」は、卒業に必要な単位数30単位に含むことはできない。
注2.博物館学芸員の資格は、上記科目の単位修得に合わせ、以下の各項目のいずれかに該当しなければならない。
 ① 学士の学位を有する者。
 ② 大学に2年以上在籍し62単位修得し学芸員補の職に2年以上ある者。
 ③ 教育職員免許状を有し、2年以上職にあった者。
 ④ 4年以上学芸員補の職にあった者。


履修指導・研究指導

1年次

時期 事項 概要
4月上旬 入学生全体オリエンテーション 本研究科の研究教育内容及びその概略を理解させ、2年間での修了・成果に動機づけを行う。
指導教員・副指導教員の決定 院生個々の研究テーマに沿って、指導教授及び副指導教授の決定を行う。
(学生の希望調査により、研究科委員会で決定)
履修届の提出 決定した指導教員指導のもと、履修計画を立て履修届の提出に繋げる。
研究計画指導等
個人研究の推進
7月中旬 研究計画調書の作成 当初策定の研究計画及び個人研究の進捗を踏まえ、修了までの研究計画調書を作成。
個人研究の推進
12月初旬 研究進捗状況報告書提出 提出された研究進捗状況報告書に基づきこれまでの研究活動の進捗状況を聴取し研究計画内容への助言・修正を加え修士論文作成への方向性を決定する。
12月初旬 指導教員の個別面接
個人研究の推進
3月初旬 研究進捗状況報告書提出 第1回目の報告書を受けた後の研究進捗状況を把握し助言・指導を行ない、2年次での実践的な研究活動への足掛かりとする。

2年次

時期 事項 概要
4月上旬 研究計画調書の補正 1年次末の報告結果に基づき、具体的な研究活動計画を明確化させる。
履修届の提出 研究活動計画に沿った履修科目を決定する。
個人研究の推進
7月中旬 研究進捗状況報告書提出 提出された研究進捗状況報告書に基づき、これまでの研究活動の進捗状況を聴取し、研究内容への助言・修正を加え、修士論文作成への最終的な方向性を示す。
7月下旬 指導教員の個別面接
個人研究の推進
10月下旬 修士論文概要発表会 決定した修士論文テーマに沿って、研究内容、研究進捗状況の総括を行う。
(全専任教員等出席)
修士論文作成・個人研究の推進
1月中旬 修士論文提出 完成した修士論文の提出
2月 審査員3名の審査 主査1名、副査2名の体制による修士論文の審査
3月上旬 口頭試問の実施 指導教員・副指導教員・副査の3名による院生個別の口頭試問を実施
必要単位の修得、論文審査・口頭試問合格を以て修了資格を得る。

大学院入試

大学院の入試情報については、こちらをご覧下さい。


資料請求

大学院の資料は、こちらからご請求ください。


OPEN CAMPUS 2015 1日“吉備大生”を体験!キビコクの魅力を体感しに来て下さい!

ページの先頭へ