2019 年 5 月 23 日

にくしやうにつき 壱之巻 皐月二十日

4月に農学部・醸造学科に入学したTくんには野望がありました。

『「肉醤」の政権を取り戻す…!』

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現在、日本で市販されている主な「醤油」は、
大豆などの穀類を使用した「穀醤(こくしょう)」です。

その一方、魚醤や肉醤のように、
いまやマイノリティとなった「醤油」もあります。

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Tくんは入学後まもなく教員居室の扉を叩き、こう言ったのでした。

『先生…! 』
『オレ、肉醤(にくしょう)がしたいです…!!』

ニッコリ。
Tくんは受け入れられ、約一ヶ月前の4月22日に仕込みを終えました。

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「生後」一ヶ月、常温下の発泡スチロール内で息づく肉醤たち。
いずれも腐敗臭はなく、微かな芳香が感じられました。
 ・「鶏ハツ(1_H)」: 見た目の変化がほとんど見られず、ほぼ無臭
 ・「鶏レバー(2_L)」: 上部が黒ずみ、醤油っぽい香り

原材料・環境由来の微生物や、内臓組織の自己消化による発酵食品づくり。
これまさに、神様仏様の所業なり。

Tくんは、さらに「神の手」を加えていきます。

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変化が緩慢な「鶏ハツ(1_H)」を3群にわけて、
膠着状態を打開しようと言うのです。
 1. 対照区(常温、発泡スチロール)
 2. 加温区(37℃、恒温機)
 3. 塩追加区(食塩追加;常温、発泡スチロール)

さてさて、
製法もノウハウも職人も失われたかつての発酵食品は、
復活を果たし、お天道様の下に再び躍り出ることができるのでしょうか!?

肉醤とTくんの今後に期待です。

文責M.H.

カテゴリー: 加工品 肉醤