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2017/03/24

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吉備国際大学 保健医療福祉学部 服部教授の国際研究論文発表について

デングウイルスによる
オステオポンチンの誘導とBrefelamideによるその阻止
―治療への応用の可能性-

【概要】

吉備国際大学の保健医療福祉学部の服部俊夫教授・東北大学災害科学国際研究所の浩日勒助教・東北大学大学院薬学研究科の大島吉輝教授・菊地晴久准教授らの研究グループは感染者数が世界で1億人に上るデングウイルス感染症において、重症度マーカー蛋白のオステオポンチン(OPN)が単球由来株化細胞でデングウイルス感染により誘導されることを明らかにしました。さらにこのウイルスによるOPNの産生を細胞性粘菌成分のBrefelamideが抑制するばかりでなく、デングウイルス自身の細胞からの放出を防ぐ可能性も示唆しました。これらは重症化により、死亡するデング出血熱・ショック症候群において、新しい治療法の可能性を示しました。本研究結果は3月14日にFrontiers in Microbiology誌のon lineにとして掲載されました。本研究は科学研究費A(国際)によりサポートされています。

 

【研究内容】

デングウイルス感染症は、蚊媒介感染症で、世界中で年間4億人弱が感染し1億人近くが発症すると考えられています。日本で、輸入感染症例がほとんどでしたが、近年国内での発症も見られ温暖化による影響が考えられます。また世界中ではデング出血熱などの重症例で2.5万人が死亡しています。私達は以前にOPNがデング感染患者血漿中で極めて高くそれが重症度・出血傾向と相関していることを報告しました。(Chagan-Yasutan H, et al. Thromb. Res.134:449-54, 2014)ここでは東北大学で樹立されたヒト単球由来のTHP-1細胞にデングウイルスを感染させるとOPNの遺伝子・蛋白レベルの発現が著増することを見出しました。またそこにOPNの産生を抑制することが知られている細胞性粘菌成分のBrefelamideを添加することによりOPNの産生が抑制され、デング感染症における炎症を抑制する可能性を明らかにしました。またBrefelamideはウイルスの放出を抑制する作用があることも明らかにし、今後の研究課題としました。この発見はデングウイルスの重症化に関わるOPNを標的とした、新しい治療法の存在の可能性を示唆しました。

【用語説明】

Osteopontin: 細胞間液に存在する蛋白の一つ。細胞の免疫受容体やプロテアーゼと反応し、炎症細胞の組織への遊走・接着を促進する活性を持つ。

Brefelamide: 土壌中に広く生息する微生物・細胞性粘菌の一種Dictyostelium brefeldianum が産生する芳香族アミド型化合物であり,各種がん細胞への増殖抑制作用や,オステオポンチン産生抑制作用が報告されている.

 

【論文題目】

Induction of Osteopontin by Dengue Virus-3 infection in THP-1 cells-Inhibition of the synthesis by Brefelamide and its derivative-「デングウイルスはTHP-1細胞のオステオポンチン産生を促進する。-ブレフェラマイドによるその抑制―」

本研究結果は、Frontiers in Microbiologyに日本時間3月14日付けで on line掲載されました。http://journal.frontiersin.org/article/10.3389/fmicb.2017.00521/abstract

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