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平成二十七年度学位記授与式が挙行されました

2016年3月24日
  • お知らせ
3月22日(火)、吉備国際大学高梁キャンパスにて、吉備国際大学及び吉備国際大学短期大学部の平成二十七年度学位記授与式が挙行されました。

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この式典での眞山学長の式辞を掲載します。

 

 式   辞


 

備中松山城を頂く山々も木々の芽が膨らみ始め、高梁川をわたる風にも春の息吹が感じられる今日の良き日に、多数のご来賓の方々と保護者の皆様をお迎えして、順正学園 吉備国際大学、吉備国際大学短期大学部の平成二十七年度学位記授与式が挙行できますことは、私共学園関係者にとりましても、誠に喜ばしいことであり、本日ご臨席いただきました皆様に心から御礼申し上げる次第であります。
卒業生と大学院の修了生の皆さん、本日は御卒業おめでとうございます! また、保護者の皆様には、本日の良き日を心待ちにされていたことと拝察申し上げ、心からお慶び申し上げます。今日まで、お子様の学園生活を温かく見守り続け、ご支援いただきましたことに、深く感謝申し上げます。
留学生の皆さんは、異国での慣れない環境にも関わらず、卒業に必要な所定の単位を取得され、見事、本学を卒業するという栄冠を勝ち取られました。誠におめでとうございます。皆さんのご努力に心からの賞賛の拍手を送りたいと思います。これからも本学との友好の絆を大切にしていただきご活躍されますことを願っております。
大学院修士課程、博士課程を修了された皆さん、学究の厳しさを体験されて学位を取得され感慨もひとしおのことと拝察いたします。誠におめでとうございます。どうか今後とも研鑽を重ねられ、より良い社会の発展に貢献していただきたいと思います。
さて、皆さんは、今まさに、吉備国際大学の象徴的マスコット「飛べるキウイバード」の様に、本学での学修により飛び立つまでに成長され、これからは自力で飛翔される時を迎えられたのであります。皆さんの新たな人生への門出を、重ねて祝福いたしますとともに、明日からの実社会において、公正で信頼される吉備国際大学の卒業生として、国内外に雄飛されることを期待致します。
ところで、私は、皆様の門出に際し次のことを常に心がけていただきたいと思っています。
一つは「諦めない努力が貴方の道を拓く」ということです。
社会では様々な出会いがあり、その中で自分の存立を図りながら互いに助け助けられて生きて行くことになると思います。一人ひとりの個性や使命が多様に交差し、調和して持続的社会が形成されるのです。皆さんはこれからそれぞれの置かれた環境の中で、課題を発見し、自分の役割と目標の達成を目指して、一歩一歩、決して頑張りすぎず、いつかいい日があることを信じ、努力を諦め
ず歩んでいただきたいと思います。成功の秘訣は、諦めないこと、とことん努力することが大切だと思います。
松下幸之助氏は、松下政経塾の塾長として、学生から「目標は本当に達成できて、成功できるのですか?」と尋ねられ、「成功できるかどうかは分からんが、成功するコツはあるんやで」といい、「それは成功するまで諦めんことや」と言われたそうです。
昨年、ノーベル生理医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授 大村 智(さとし)先生は、「チャンスは備えるところに訪れる」というフランスの著名な細菌学者パスツールの教えを信じて研究を続けられたそうです。先生は、微生物由来の有用な天然有機化合物の探索を目指して、土壌や腐食植物などから微生物の分離採取を黙々と続けられ、微生物から次々と多くの新規化合物を発見されました。その中の一つが、1970年代にゴルフコース傍の土から採取された微生物がつくる「イベルメクチン」と称されるもので、寄生虫を殺傷するが人には副作用を示さず、寄生虫による風土病の撲滅に極めて優れた効果を示す画期的な新規化合物だったのです。アフリカや中南米において毎年2億人余の人々に投与されており、寄生虫による感染症の撲滅に貢献されたのです。
「チャンスは備えるところに訪れる」。私達の様々な目標と夢の達成には、いつかいい日があることを信じ、努力を諦めず、歩むことが大切だということです。
第二は、「共存・共有の理念」を尊重し、未来社会に貢献していただきたいと思います。
近年の進展著しいゲノム生物学の知見は、我々人類70億人の祖先は同じであるということがほぼ確実だとしております。しかし、近年、私たち人類社会では、様々な争いが絶えず、また、社会秩序を乱す出来事や悲惨な状況が多々生じております。さらに、地球環境の破壊が進んでおり、地球生命共同体の存続にも危険信号が出ています。私たちは、このような混沌とした状況を深く受け止め、生物の多様性と、人類が、同胞として、国家や宗教などの多様性を尊重する「共存共有の理念」に立脚し、未来社会への理想を求めてチャレンジしなくてはならないと思います。
私は、本学の創立者加計勉先生が、先の大戦による荒廃した故郷をまの当たりにした体験から、平和な国際社会の構築は、国境を超えて橋渡しのできる共存共有のグローバル精神を育んだ若者の教育こそ大切だとの信条から吉備国際大学を創立されたことを想起します。本学は、また、新たな地域創成につながる実践的な教育・研究を重視しており、地域の様々な課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な研究を推進するとともに、社会貢献を目的としたボランティア教育にも力を入れております。
本学総長加計美也子順正学園理事長は、昨年、十分な食事が取れていない恵まれない大勢の子供たちがいる惨状に思いを馳せられ、支援の手を差し伸べる食糧支援事業「デリシャスフーズキッズクラブ事業」を発案され、現在、順正学園の50周年記念事業の一つとして学園をあげて支援活動が推進されております。皆さんの中にも、このボランティア活動に参加された方もおられると思いますが、人の苦しみを共有したボランティア活動は、社会的に貢献することの意義を見出し、自己の存立を認識する機会となるものです。私は、皆さんには、本学の卒業生として、このような伝統的な「共存共有の理念」を忘れず、平和な未来を見つめて歩んでいただきたいと思っております。
第三には、私は、「同窓生の絆」を大切にしていただきたいと思います。
本日は、先輩である同窓会の皆様が、皆さんのお祝いに駆けつけていただいておりますが、専攻学科、ゼミやクラブなどの友人仲間や恩師の先生方との友好の輪が、先輩の皆様の輪と融合し同窓会での絆を一層深めていただきたいと思います。
このたび、吉備国際大学短期大学部は、本年度末をもって、諸般の事情により閉学することになりました。本学短期大学部には、50年前に創立された順正短期大学の魂は、脈々と受け継がれ、現在の吉備国際大学短期大学部・順正短期大学同窓会には不易の順正魂が育まれております。
この度本学の短期大学部を卒業される皆さん、改めましてご卒業誠におめでとうございます。吉備国際大学短期大学部・順正短期大学の卒業生総数は11062名になります。また、吉備国際大学の卒業生総数は14361名であり、合わせて吉備国際大学ファミリーの卒業生は25423名余になります。皆さんには、どうか恩師の先生がたや同窓会の先輩との絆を大切にされ、親睦の輪を末永く保たれることを願っております。
同窓会での交友は年をとればとるほど良いものであります。旧友との再会は楽しみであり、また多くの同窓生との情報交換の場は互いの社会的向上に繋がる場であります。皆さんには、どうか同窓会を大切にしていただきたいと思います。と同時に、今後は吉備国際大学の発展を見守っていただき、ますますのご支援を賜りますようお願い申し上げます。
終わりにあたり、卒業される皆さんが、健康に留意され、実り多い人生を歩まれることを祈念致しまして、式辞と致します。

平成二十八年三月二十二日
学校法人順正学園
吉備国際大学
吉備国際大学短期大学部
学長 眞山 滋志