弁理士試験

 本研究科は大学院の修士課程であり、受験指導機関ではありませんから弁理士試験の受験指導は行いません。もっとも、本研究科には弁理士試験の受験希望者が多く入学していますし、弁理士試験では知的財産法に対する知識・理解が試されますので、この意味では、本研究科で知的財産学を学び研究することは弁理士試験の受験に活かすことができると言えます。
 そして、弁理士試験には、「短答式筆記試験一部科目」や「論文式筆記試験選択科目」の免除の制度があり、本研究科ではこの免除対象となる科目が開講されていますので、この点に関しては、本研究科は弁理士試験と密接に関連しています。
 この免除制度について以下に簡単に説明します。なお、これらの免除を受けるためには、受験者本人が所定の免除申請の手続きを行い個別に審査を受ける必要があります。
  →特許庁「弁理士試験」について
  →特許庁「弁理士試験に関するQ&A」について
 

短答式筆記試験一部科目の免除

 平成20年1月以降に大学院の課程に進学した者で、当該大学院において所定の工業所有権に関する科目の単位を修得し、当該大学院の課程を修了した者については、事前の申請に基づく工業所有権審議会の審査を受けて認定された場合、修了の日から2年間、弁理士試験短答式筆記試験の一部科目が免除されます(平成19年に行われた弁理士法の一部改正)。
 本研究科では、この免除に必要な科目が開講されていますので、免除申請することが可能です*。

*本研究科では、短答式筆記試験一部科目の免除を念頭においてカリキュラム等を構成し、修了生の免除申請に際し、本研究科として最大限の手続的なフォローを行います。もっとも、免除のみを目的に授業を行っているわけではありませんので、必ずしも免除認定を保証するものではありません。

  →特許庁「弁理士試験の短答式筆記試験一部科目免除について」
 

論文式筆記試験選択科目の免除

 本研究科は大学院の修士課程であり、弁理士試験の受験指導を行う機関ではありませんが、本研究科の課程を修了した後、個別に申請を行って工業所有権審議会が行う学位論文(修士論文)に関する審査をパスすれば、弁理士試験の「論文式筆記試験選択科目」の免除を受けることが可能です。(ただし、弁理士の業務に関連する法律のうち、工業所有権四法以外の論文に限られます。)

<法律(弁理士の業務に関する法律)>
弁理士の業務に関連する法律のうち、工業所有権四法以外を対象とする。
例として、「法律(弁理士の業務に関する法律)」の選択問題となっている法律(民法)、民事訴訟法、著作権法、不正競争防止法、独占禁止法、行政法、国際私法、種苗法、半導体集積回路の回路配置に関する法律、関税法、不当景品類及び不当表示防止法、国際経済法など。
(特許庁ホームページ「弁理士試験に関するQ&A」より引用)

 
  →特許庁「弁理士試験論文式筆記試験選択科目免除について」

 

合格者インタビュー

 平成27年度、本研究科の修了生が弁理士試験に合格しました。合格者に研究科がインタビューを行いました。

平成27年度 弁理士試験 合格者:尾畑 氏
職  業:製造業
出身分野:理系大学卒(工学部 応用物理学科)

弁理士試験の合格おめでとうございます。
ありがとうございます。2011年3月に修了してから少し時間がかかってしまいましたが、やっと良いご報告をすることができました。
日本で唯一の通信制・知財大学院である本研究科から今回、弁理士が誕生し、教職員一同、大変喜んでいます。まずは弁理士を目指した動機や本研究科に入学された経緯からお聞かせ下さい。

開発部門から知的財産部への異動を内示されたことをきっかけに、どうせ異動するなら知財の専門家としての資格である弁理士を目指そうと考えました。また、弁理士の試験勉強を通じて知財の知識を得ることにより、早期に知財業務に慣れることができるのではないかとも考えました。
弁理士試験の内容を調べる中で短答試験の一部免除を受けることができる大学院がいくつかあることを知り、メディア授業や土日のスクーリングが中心で業務に支障を生じないことが決め手となり、貴学にお世話になることにしました。また、学卒であったため、著作権法の修士論文により、論文試験の選択科目免除を得て、短答試験免除と共に一石二鳥とすることも期待していました。
本研究科で勉強したことが、実際に弁理士試験の合格に結び付きましたか?
はい。ほぼ知的財産に関する知識がゼロの状態で入学しましたが、知的財産に関する法体系を基礎から学ぶことで、私の中では木の幹のようなものができた上で枝葉の知識を吸収するイメージで学習を進めることができました。迷った時は原点に立ち返り大学院で学んだことを思い出すことで解決したこともありました。
また、多くの判例を実務家の先生方から講義して頂いたことは、予備校では得ることのできない貴重な体験で、判例問題の理解に大いに役立ちました。
私の場合、短答試験の免除は所謂三振をしてしまい、もう一度受けることになりましたが、著作権法の修士論文で論文試験選択科目の免除を受けることができたことで学習の負担が減り、合格に結びついたものと思います。

弁理士試験は難しい試験ですが、やはり法律を基礎から体系的に把握することが合格の近道になる、ということですね。それでは、弁理士試験の短答式試験に合格するために最も重要な点は何だと思いますか?
短答試験の一部免除を受ける場合、不正競争防止法と著作権法の2科目ですので他の受験生に比べ圧倒的に有利です。その中でも難易度が比較的安定している不正競争防止法で満点(5点)を目指すべきと思います。また、他の科目にも言えることですが、近年、所謂いくつか問題が増加していますので、過去問だけではなく一問一答形式の問題集を一肢毎に答えが出せるようになるまでやりこむことも必要と思います。

それでは論文式試験、中でも必須科目に合格するための重要な点は何ですか?
やはり1冊(1組)の基本書(レジュメ)を決め、とことん読み込むことだと思います。ページのどの部分に関連事項の記載があったかイメージで思い出せるようになるまで読み込むことが大切だと思います。アウトプットに関しては、受験勉強期間のいずれかの時期に集中的に書き込む時期を設けることも重要と思います。論文試験は短時間に正確に考え、書くことを要求されます。正確にすばやく書くことができるようになれば、考える時間を多く確保し、答案構成に時間をかけることができるようになり非常に有利です。
受験勉強は仕事との両立だったわけですが、お仕事を持ちながら研究科の授業を受けるにあたって支障はなかったですか。
メディア授業や土日のスクーリングが中心ですので、仕事に関しては特に支障はありませんでした。

では、本研究科に在籍した感想をお聞かせ下さい。
知的財産の世界に入る第一歩が貴研究科であり、右も左も分からない私に知財の本質的な部分を教授して頂いたことに感謝の気持ちで一杯です。また、異業種の仲間とスクーリングを通じて交流できたことは、色々な立場から見た知財を知ることができて大変有意義でした
それでは最後に、仕事をしながら弁理士試験を受験する方々にメッセージをお願いします。
弁理士試験は難しい試験だとは思いますが、あきらめなければ必ず受かる試験だと思います。仕事に家庭にと大変だとは思いますが、弁理士を志した初心を忘れずにがんばってください。

今日はお忙しいところありがとうございました。今後のご活躍、大いに期待しています。

(インタビュー:平成28年1月25日)

 平成25年度、本研究科の修了生が弁理士試験に合格しました。合格者に研究科がインタビューを行いました。

平成25年度(合格者 本田史樹2012年3月修了)

弁理士試験の合格おめでとうございます。
ありがとうございます。
日本で唯一の通信制・知財大学院である本研究科から今回、弁理士が誕生し、教職員一同、大変喜んでいます。まずは弁理士を目指した動機や本研究科に入学された経緯からお聞かせ下さい。

もともと知財がしたくて今の会社に転職しましたので、弁理士を目指すのも当然といえば当然の流れでした。
大学院は以前からどこかに行きたいと考えていたのですが、費用的に安く実務家が多い吉備国際大学にしました。
本研究科で勉強したことが、実際に弁理士試験の合格に結び付きましたか?
はい、もちろんです。
入学する段階でそれなりに知識があるつもりでしたが、大学院で勉強していると意匠、商標が全然わかってないことに気づきました。
また、訴訟関係に関してもイメージし難い部分があったのですが、実務家の先生に教えて頂くことですんなり頭に入りました。
そのため、在学中に短答試験に合格することができ、また、今年は何とか最終合格もできました。

弁理士試験は難しい試験ですが、やはり法律を基礎から体系的に把握することが合格の近道になる、ということですね。それでは、弁理士試験の短答式試験に合格するために最も重要な点は何だと思いますか?
私は一部免除を利用しなかったのですが、一部免除を利用するのであれば、合格するためには条文数が少ない不正競争防止法を重点的に勉強し、満点をとることだと思います。
あと、過去問(10年分くらい)をしっかりとこなすことだと思います。

それでは論文式試験、中でも必須科目に合格するための重要な点は何ですか?
①要件を覚えること、②当てはめがしっかりできること、③趣旨を覚えること、④判例を覚えること、が重要です。特に近年は特実でも趣旨が問われますので、趣旨は非常に重要になります。
あと、論文構成の勉強をすることが重要になります。また試験では構成に時間をかけることが重要です。私は特実では20分、意匠・商標では25分~30分、構成に時間をかけていました。
受験勉強は仕事との両立だったわけですが、お仕事を持ちながら研究科の授業を受けるにあたって支障はなかったですか。
大学院の授業は土日祝でしたので、仕事との関係では特に支障はありませんでした。

では、本研究科に在籍した感想をお聞かせ下さい。
弁理士試験に合格できたのは、大学院の先生方のおかげだと思っています。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
また、大学院では多くの友人ができ、また先生方とも仲良くなれましたので、非常に良かったと思います。
それでは最後に、仕事をしながら弁理士試験を受験する方々にメッセージをお願いします。
きちんと勉強すれば必ず合格できる試験だと思います。仕事が忙しかったり、子供が小さかったりと勉強時間の確保が難しい方もおられると思いますが、そこを言い訳にせず、あきらめず努力すれば必ず合格できると思います。
今日はお忙しいところありがとうございました。今後のご活躍、大いに期待しています。

(インタビュー:平成25年11月29日)

平成24年度、本研究科の修了生が弁理士試験に合格しました。合格者に研究科がインタビューを行いました。

平成24年度 弁理士試験 合格者:F 氏 (31歳・男性)
職  業:公的研究機関(独立行政法人) 事務職
出身分野:理系大学院卒(農学修士)

弁理士試験の合格おめでとうございます。
ありがとうございます。恥ずかしながら、試験終了時には「また来年かな」と思っていましたので、最終合格に至れたのは望外の喜びでした。
日本で唯一の通信制・知財大学院である本研究科から今回、弁理士が誕生し、教職員一同、大変喜んでいます。まずは弁理士を目指した動機や本研究科に入学された経緯からお聞かせ下さい。

現在、共同開発契約等の知的財産の取扱が非常に重要となる契約関連の業務をしております。他機関の知財部や法務部の方との知的財産関係のやりとり、内部の研究者からの相談・質問への対応にも知的財産法の体系的な知識を取得することが役立つと思い、入学を決めました。実のところ、入学時点では体系的な知識の取得や大学院で同期となる様々な分野の方との交流が主目的で弁理士試験は「免除もあるし受けてみようかな」くらいに考えていました。在学中、弁理士の試験科目以外にも興味深く学ぶことができ、大学院で学んだことを活かすためにも、弁理士資格を取ろうと考えるに至り受験しました。ただ、弁理士試験の勉強を始めたのが修士論文を提出して修了が確定してから(3月頃)でしたので、その意味ではかなり強行軍でした。
本研究科で勉強したことが、実際に弁理士試験の合格に結び付きましたか?
大学院のHPにも書かれていますが、大学院は予備校ではありませんので、弁理士試験で問われる内容と大学院で学ぶ内容とでリンクしていない部分もあります。一方で、大学院の講義(特に工業所有権法、条約)では各法を体系的に学ぶことができるため、弁理士試験では避けて通れない「暗記」をするにしても知識同士の結びつきが強くなりましたし、応用問題に対応するための素地を形成するのにも大いにためになりました。勿論、講義で学んだ内容で直接的に合格に役立ったこともありまして、例えば、今年の論文式試験の特許法では初めて均等論が出ましたが、村林先生から講義で丁寧な解説を受けていたこともあり、余裕を持って回答することができました。

弁理士試験は難しい試験ですが、やはり法律を基礎から体系的に把握することが合格の近道になる、ということですね。それでは、弁理士試験の短答式試験に合格するために最も重要な点は何だと思いますか?
ありきたりですが、短答式試験の過去問をやりこみ、肢単位でしっかりと理解することだと思います。大学院修了の利点の一つに短答の一部免除が挙げられますが、正にその通りで、著作権法と不正競争防止法の2科目でよいのは時間的にも労力的にもとても大きかったです。後は、論文式試験が気になることもあると思いますが、短答式をクリアしないと次(論文式試験)もありませんので短答式試験の前はしっかりと短答式に集中することでしょうか。

それでは論文式試験、中でも必須科目に合格するための重要な点は何ですか?
答案構成の練習、実際に書く練習、言い回しや定義といった必要事項の暗記はいずれも基本かつとても重要です。他には「条文に戻って考える」ことが、同じくらい重要と感じました。「条文に戻って考える」ことは大学院の講義の中で先生から教えていただきましたが、過不足のない答案を書くのに非常に有用だったと思います。
受験勉強は仕事との両立だったわけですが、お仕事を持ちながら研究科の授業を受けるにあたって支障はなかったですか。
テキスト科目を履修しすぎてレポートが大変なこともありましたが、自分のペースで出来ましたし、スクーリングも土日中心ですので、私の場合、仕事との両立は特に支障ありませんでした。ただ、スクーリングは一度の欠席でも丸々単位取得が不可となり、仕事との兼ね合い等で履修を翌年度に回さざると得ない同期もいましたので、別の日にビデオを視聴する等、代替できる手段があれば、なお有難かったと思います。

では、本研究科に在籍した感想をお聞かせ下さい。
当初目的としていた体系的な知的財産法の体系的な知識の取得ができ、極めて短期間で弁理士試験に合格できる素地を作らせていただきました。実務家の先生方による講義も現実の事例に則した興味深いもので楽しく聞けましたし、背景やレベルの全く異なる様々な生徒同士での意見交換など、とてもよい経験ができました。知財の分野は技術の知識、特許庁等への手続きの知識、訴訟関係の知識が複雑に絡み合って成り立っていますので、各分野の実務家の先生、生徒が集まる大学院はとてもよい学びの場だと思います。
それでは最後に、仕事をしながら弁理士試験を受験する方々にメッセージをお願いします。
仕事と勉強を両立させるのは大変ですし、家庭をお持ちの方は尚更だと思います。体を壊してしまっては何にもなりませんので、体調管理には十分気を付けてあきらめず頑張って下さい。修了生の合格者が続いてくれることを祈念しています。
今日はお忙しいところありがとうございました。今後のご活躍、大いに期待しています。

(インタビュー:平成25年11月29日)

 

知的財産管理技能検定

「知的財産管理技能検定」とは、国家資格制度である技能検定制度の職種の一つであり、知的財産教育研究会が指定試験機関となっています。知的財産管理検定には1級~3級の等級区分があって、1級~3級それぞれについて学科試験と実技試験が実施されます。
 なお、大学院において検定職種に関する課程を修了した者は、2級の学科試験の全部が免除されることになっています。
  →知的財産教育協会「知的財産管理技能検定」について