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キビコクNEWS

卒業生、修了生の皆様へ 理事長メッセージ

2020年3月22日
  • お知らせ

お祝いの言葉



卒業生の皆様、ご卒業本当におめでとうございます。本年は、コロナウィルス対策で皆様方に直接お祝いの言葉を申しあげられないのが、残念でたまりません。せめて紙面でお祝いの言葉を書かせていただこうと思っておりますのでどうぞ事情をご理解の上皆様方が、待ちわびておられた学位記授与式が出来なかったことをお許しください。

「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引出し引き伸ばし社会に有為な人材を養成する」という建学の理念のもとで学ばれた皆様方は、それぞれの学問分野における学問を修められ、夢と希望に胸を膨らませて、新たな人生のスタートラインに立っておられることと思います。

皆様方の教育の柱となったこの建学の理念は、創立者加計勉が、原爆が落ちたすぐ後に生まれ故郷の広島に戦争から帰省し呆然とかの地に立ち、燐の燃える中を故郷の村まで歩いて帰りながら「これから資源も何もない日本はどうなるのだろう。」と考えながら歩いたその時に天啓のようにひらめいたのが「そうだ、日本のこれからの資源は人材だ。その為には押しつけの教育ではなくて一人ひとりのもつ能力や個性を最大限に引出し引き伸ばす教育だ」と思ったことから生まれました。これが原点となって皆様方が、学ばれた吉備国際大学が誕生したのです。早くから国際交流を始めたのも「戦争はいけない、勝っても負けても戦争で失うものは計り知れない。友のいる国を攻めたい者はいないのだから世界中に友人を持てばよい」という熱い思いが、現在、29か国85校2施設の協定校を世界中に持つに至ったのです。昨年11月にローマ教皇が来日されました。一日の中で長崎、広島を訪問され、大粒の雨の降りしきる中で、献花をされながら静かに祈られていた姿を記憶にとどめておられる方も多いのではないでしょうか。また、未来を創る次世代へのメッセージとして今回の来日では、教会や大学で日本の若者たちに語りかけられました。感激のあまり、泣いていた若者の姿がとても印象に残りました。被爆で死んだ弟を背中に背負って火葬する順番を待つ少年の写真は、万の言葉より説得力があると語られ、広島で語られた「私は、平和の巡礼者としてこの地を訪れました。人の心にあるもっとも深い望みの一つは、平和と安定への望みです。国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や壊滅の脅威があっては、実現しません。」と説かれ、無関心こそが、悪と語られた教皇の訪日を私たちは、無駄にすべきではないと強く思います。これからの日本が、そして世界が、平和で安定したものになるかどうかは、次代を担う皆様方の肩にかかっているのです。一人ひとりが、よく考えて行動して下さい。そして、行動に移す勇気を持ってください。

大半の卒業生の皆様は、4月から職に就かれることでしょう。どんな職業に就いても最初から楽しい仕事は、まずありません。一つのことをやり抜く、目の前にあることをまずはやる。そして、一歩一歩前進してください。気が付くと仕事が面白くなっていた、そしてまた次の高みを目指す。皆様方の先輩も(私もそのひとりですが)たいていの人は、そうやって仕事にやりがいを見出し人生を歩んできたのです。皆様もどうか、簡単に志を捨てないでください。最初の志を貫徹してください。

人は何のために働くのでしょうか。京セラの稲盛和夫さんは、「働くことが、人間性を深め、人格を高くする。働くことは、人間を磨くこと、魂を磨くことだ」とその著書の中に書いておられます。ただ、お金のためや食べるためだけでは、人生はつまらないものになってしまいます。皆様は、是非、仕事に生きがいを見つけて下さい。

順正学園は、創立50周年事業の柱として子供支援「順正デリシャスフードキッズクラブ」と「順正ジョイフルキッズクラブ」をたちあげました。早いものでまる4年が経過致しました。卒業生の皆様方の中にもご協力を頂いた方々が大勢いらっしゃると存じます。この紙面をお借りいたしまして厚く御礼申し上げます。また、全ての卒業生の皆様方に今後のご支援をよろしくお願い致します。そして、このような事業をしなくても良い世の中が一日も早く来るように皆様方にお力をお貸しくださいますようお願いいたします。

最後に学園創立者加計勉が好きだった言葉を皆様への花むけの言葉にいたします。「人生には、様々な道があるが、気まぐれで、安易な選択に陥ってはならない。自らの経験や知識で進む、積み上げた道を選ぶべきである」
皆様のご活躍を祈念いたしまして私のお祝いの言葉とさせていただきます。

令和2年3月22日         
学校法人 順正学園        
理事長 加計 美也子