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【外国学科】「クール!な岡山」、1文字で表現すると……クールジャパン論で熟考
- 外国学科
ハード、ソフトの両面から日本のブランド価値を探る「クールジャパン論」の春学期(水曜3限)の授業が終了したことを受けて、学生が岡山の「クール!(すばらしい)」について意見をまとめました。グローバル社会での活躍を目指すには、海外に目を向けるだけでなく国内を理解する作業が不可欠。授業を通じて日本全体のイメージを熟考した23人の学生は、最終テーマに足元・岡山を選び、学びを締めくくりました。
世界に通じる素晴らしさとは一体何なのか。砕いた表現をすれば「何がカッコいい?」という問いですが、見方は人それぞれです。正反対な意見がぶつかりあったり、とらえ方を誤ったりする負の側面も無視できません。
普段暮らす地元を論じるとなると、議論噴出です。基礎知識を学んだ学生は6月中旬から5つのグループにわかれてクールな岡山とは何かを話し合いました。「岡山は住みやすい。でもズバリ挙げる魅力は何?」、「よく知られてないことが、かえって魅力になるのでは?」ーー。こんなやり取りが続きました。
7月になって議論を形にする作業に入りました。岡山の魅力を表現する文字を色紙に記したうえで、模造紙1、2枚に絵や写真を並べました。以下に報告します。
●グループ1 「繋」:1988年に全線開通した世界最大級の瀬戸大橋を魅力のトップに据えました。その壮大さは圧巻で、単なる橋ではなく、この橋を見ているだけでも旅気分に浸れるからです。橋の多くは香川県に属するものの、メンバーは「岡山との間で人・物・心をつなぎ続けている」とイチ押ししました。
●グループ2 「縁」:円形に縁取りされたマンホールを選びました。マンホールはたくさんあるのに普段あまり目にとまりません。しかし、岡山では桃やぶどうといった特徴が描かれています。メンバーは「下を向いて歩こう!~マンホールで知る岡山~」と銘打ちました。色紙はメンバーの家族による達筆な書です。絵が上手な学生によるかわいらしい似顔絵も添えています。
●グループ3 「B」:「たった1文字では岡山の魅力を伝えきれない」と悩んだ末、ひねり出したのがB。B(び)を含む魅力が多いことに注目したといいます。津山市出身のB’zの稲葉浩志さん。備(び)前焼、岡山で盛んなB級グルメ……。そして吉備(び)国際大学も。魅力ある地域の例として、人口30人余りの島ながら、知る人ぞ知る犬島を挙げました。
●グループ4 「夢」:岡山をホームタウンとするサッカーJリーグのファジアーノ岡山FCを魅力のトップに挙げました。ボランティアなどを通じて、J1昇格を果たした県内の熱狂ぶりを肌で感じ取ったメンバーたちは、チケットがよく売れている人気ぶりだけでなく、新スタジアム建設を願う署名活動の盛り上がりも「クール!」としました。
●グループ5 「吉備津」:インドネシアとベトナムからの留学生が選んだのは、岡山市北区の吉備津神社です。日本の歴史ある建造物をとらえました。メンバーは神社を実際に訪ね、静けさの中で古来の歴史や伝統を学んだとのこと。「自撮りした笑顔は印象的」(担当教員能登智彦)です。「過去と今、未来をつなぎ、魂が静かに共鳴するような所。外国人もぜひ訪れて」とメンバーは口をそろえています。
以上ですが、一口にクールジャパンと言ってもその要素は無限。真に国際的な人材というのは、日本人と外国人の双方の見方、そしてグローバルとローカルの考え方を柔軟に身につけ、得られる他者の反応に対しては常に謙虚でなければならない――授業を終えて、学生たちはこのような感想を抱いていました。
学生がまとめた「クール!な岡山」は、岡山キャンパス内に掲示予定です。