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【外国学科】徳島新聞社・木下真寿美先生の特別講義「異文化理解」
- 外国学科
戦争、災害……不確実な時代を生き抜くカギは「しなやかさ」
人、モノ、カネ、そして情報が国境を越えて瞬時に交錯する現代において、異文化への洞察は避けて通ることができない必須の素養です。外国語学部外国学科では講義「異文化理解」において、異なる価値観を相対化することを目標に掲げて進めてきました。7月1日の第12回講義では、さらに深化を図るために徳島新聞社の木下真寿美氏を招いて特別講義を行いました。木下先生は記者・編集委員として多文化共生分野で数多くの取材実績があるうえ、私生活でも海外と豊富な接点をもつ、日常的に異文化の交差点に身を置く女性です。
○ジャーナリズムの最前線で学んだ骨太の見識
「戦争、災害……。不確実な時代だからこそ、しなやかに生きて下さい」「実際には心配事のほとんどは現実にならないものです。挑戦を前に足がすくまないように」「例え失敗しても人生は続くのです。気にしたら負けですよ」……。答えが見えにくい世の中をどう生きるのか、学生に知恵を授けるように、木下先生は「珠玉の言葉」を投げ続けました。様々な取材現場での生々しい体験と自らのライフスタイルに根ざした語りは、学生の心を強く揺さぶったようです。
この日が大学での初登壇という木下先生は徳島県出身で48歳。早稲田大学で法学・文学の双方を修めた知見を基盤に、記者・編集委員として外国人政策、ジェンダー、地域課題といった社会の根底に関わるテーマを追い続けてきました。その足跡は国内にとどまりません。ロシアのウクライナ侵攻によってモルドバに逃げのびた難民を現地で取材し、戦禍に追われる人の声を丹念にすくい上げることもありました。
同時に、知への旺盛な探求から、英国マンチェスター大学大学院に留学し、修士号(MSc in Corporate Communications and Reputation Management)を取得しました。英米企業の登録翻訳家として活躍した後、徳島新聞社に復帰しました。今春からは経営戦略局で経営企画などを担っています。私生活では、英国で知り合ったメキシコ人をパートナーとし、一人娘は中学3年になります。
○「ぶれない判断力」を得るために
異文化理解講義の基軸は、多文化のもとで生きる真の姿を知り、学生一人ひとりが当事者としての思考を深めることにあります。今回の木下先生の講義は、教科書に並ぶ「机上の理論」を凌駕するリアリティを伴って学生の心に訴えました。木下先生は、多発する戦争や災害など想定外ともいえる複雑な国際社会に触れ、「いつ、何が起きるかわかりません。つまり意図していない経験に突然出くわすのです」 としたうえで、「何があっても対応できるしなやかさを身につけて」と呼びかけました。多様な価値観が衝突する中を生き抜くには、硬直化した思考ではなく変化を柔軟に受け入れながら、悩まずにぶれない心を育てなければならないと言います。徳島も岡山も「世界の出来事と無関係ではありません」と強調しました。国際社会や異文化圏での学修を視野に置く学生たちに対し、木下先生はエールを込めて、「今何をすべきか。何がやりたいことなのか。まっすぐに自身を見つめてください」 と語りかけました。漠然とした不安を抱えるいまの学生たちの背中を押し、目の前の学びに真摯に向き合うことを求めたといえます。
講義後半の質疑では、学生から次々と質問が出ました。「挑戦をするなと言われたらどうしますか?」との問いかけに、木下先生は「動じてはいけません。100%の支持が得られることはないと認識しておくことが必要です」と強調しました。別の学生から「過去の自分に何かをアドバイスするとしたら?」との問いには、少し考えてから、「人見知りの性格だったので、(記者として)もっと早く解消できていれば良かったかもね」と笑顔で応じていました。
《講義を終えた学生たちの感想》
熱いフィードバックが多数寄せられました。ある学生は「好きなことをして生きるということが一番幸せな生き方なのだろうと、改めて感じた。失敗した時にどうするかは、失敗した時に考えようかなと思った」と感想を記しました。別の学生は「失敗しても人生は続くと聞いて、失敗した時に落ち込んでも前を向いていこうと思う」とし、「やりたいことを全力でやる木下先生の姿にはあこがれる」と記しました。留学生の一人は「このような特別な授業を自国では見たことがない。将来の方向性をより明確にする助けになった」と、自身のキャリア形成に触れていました。
木下先生は終了後もなお学生たちに囲まれ、惜しみなくアドバイスしていました。




