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【作業療法学専攻】災害リハビリテーション×早期教育
- 作業療法学専攻
10月28日、人間科学科作業療法学専攻および理学療法学専攻1年生が受講する「中山間地域健康増進演習」の科目において、JRATとしてご活躍の理学療法士の先生をお招きし、災害リハビリテーションの講義を実施しました。
JRATとは、Japan Disaster Rehabilitation Assistance Teamの頭文字のことで、日本災害リハビリテーション支援協会のことです。
受講した学生らは、災害の種類、災害発生件数、災害発生時の心身の健康被害とその背景、災害発生時のリハビリテーション専門職の具体的な職務役割など、多くの具体的な写真を見せて頂き、講師の体験談を拝聴しながら学習を進めました。
受講した学生らは1年生ということもあり、専門教育が開始される段階のため、疾患や障害像の学習は、まだまだこれからです。
しかしながら、身近に見聞きしたことがある災害発生と健康被害をテーマに、ひとの生活がどのように崩れて健康が悪化するのかを学び、災害リハビリテーション支援と、平時のリハビリテーション支援は似ているところが多い事を学びました。
その中でも、災害リハビリテーション支援と平時のリハビリテーション支援の違いは、「災害リハビリテーション支援の支援者は、支援者であると同時に被災者でもある」という点です。
「災害発生後に、どうやって命や生活を守っていくのか」災害リハビリテーションについての学習と、災害リハビリテーション支援を題材とした「人の健康や生活とリハビリテーション支援の全体像を結び付ける」濃厚な学習時間となりました。
この日、学生たちは講師の先生から、講義の締めくくりに、以下のメッセージをいただきました。
『One for all, All for Japan』災害リハビリテーションは、自分に何ができるかを考えるのではなく、被災地に想いを馳せ、私が何かをしなくてはいけない、やらなければと考えずに参加してみればいいのです。人にはそれぞれ役目がある。やれることは必ずある。そして、実際の現場では、この言葉を胸に刻んだ仲間たちに支えられ、日々を乗り越えてきたのだと。
この言葉に、日々学生指導を担当している教員として、心が熱くなりました。学生らが、将来どのような分野のリハビリテーション支援者になってくれるか、期待を寄せずにはいられません。近い将来、どこでどんな活躍をしていても、自分の命や生活を守りつつ、災害発生の非常時の際、少しずつ知恵や技、そして優しさを持ち寄ることができるリハビリテーション専門職者となった卒業生たちが増えたら良いなと思っています。