キビコクNEWS
【外国学科】 生き方 曹源寺住職 原田正道先生 何を大切にするのか考えて欲しい
- 外国学科
5月7日(水)の「生き方」の授業は、曹源寺ご住職、原田正道先生にご講義いただきました。先生は、月の半分は海外に出張され、岡山にいる間は、海外からの修行僧も含め35人の指導を担われています。海外のお弟子さんには、毎日オンラインで指導されているそうです。
冒頭、原田先生から、この講義を通じて、何を大切にすればよいか考えて欲しい旨お話しされました。体の形は変えられないが、形は見えないけれど、「心の世界」がある。健全な智恵を学び好ましい方向に変える努力をして欲しい。その基本を学ぶ方法が坐禅。「禅は心の名 心は禅の本体」です、と。心の温かい人がいると、その人がいるだけで、周りを明るくする、暖かく感じさせる。心の世界は重要。
禅は坐ることが中心で、自然の流れに合わせて、自分たちの心を整える。その基本にあるのが呼吸。深い呼吸を行う努力が必要で、最初は8秒、息が吐けるようになるとよい。12秒以上はできるようになるはず。ぜひ練習してもらいたい。毎日その努力を続けると、深い呼吸が学べるだけではなく、心を静められる。体を整えることができる。病気にならない健康を得ることもできよう。
自我とは何か?何が自主性なのか?自分の思いつきを暴走させてはならない。周りの人たちの意見を聴き、自分の意見を修正することが重要。自己修正・反省できることが自主性。そのためには、純粋な人間性、見直すゆとりが必要。学んだ智恵を子どもに伝えていけば、その智恵は世代を超え永遠となる。栄西上人のことばに、「あせってはいけない、内側を安定させる、動じない」というものがあります。要は、判断力を高める。そのためには、ゆとりが必要。ゆとりは、呼吸を整えることが基本となる。
ここでは書ききれないほど多くのことを教えていただきました。学生は自分自身で考える貴重な機会となりました。
質疑応答では、ある学生から、「今の時代、いろんな情報が飛び交うとおもうのですが、原田先生はこのような状況の中でどのような考え方をしたらいいと思いますか?」と質問があり、原田先生からは、「朝から少しでも気になることが頭にあると適正な判断ができないので、自分の生活のリズムを身に付けることが肝要。そして、情報の洪水から、重要な情報を取捨選択できるようになる」との回答がありました。
講義コメントから、いくつかを紹介します。
・自我やこだわりを手放すことで、自分の視野が広がり、今まで見えなかった他者の考えや感じ方に気づくことができます。そのような気付きこそが、私たちの成長につながるのではないでしょうか。(留学生)
・心を穏やかにしたいと思った。
・何が大切か自ら考え判断する。
・いらないことではなく、やるべきことを優先的に考えていこうと思いました。
・自分にとって逃げたいことがあっても一度立ち止まり、自分に厳しく生きていきたいです。
外国語学部外国学科では、「先達に学ぶ、人生のより良い『生き方』」をテーマとし、これまで日本を創ってきた人々、豊かで平和な社会を築いてきた人々の<生>の声を聞き、学生一人ひとりが、この国や社会のためにできることは何か、また自らが幸福な人生を送るために何をすればよいのか…等、それぞれが自分のあるべき将来について考える。そうすることで、今の自分を見つめ直すことができるようになる。また、自分の<志>を確認できるようになることを目標に、外国学科学生の必修科目として「生き方」を開設しています。



