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【外国学科】米国コーネル大学教授 大藤剛宏先生「生き方」講義『オンリーワンを目指せ!』
- 外国学科
外国語学部外国学科では、「先達に学ぶ、人生のより良い『生き方』」をテーマとし、これまで日本を創ってきた人々、豊かで平和な社会を築いてきた人々の<生>の声を聞き、学生一人ひとりが、この国や社会のためにできることは何か、また自らが幸福な人生を送るために何をすればよいのか…など、それぞれが自分のあるべき将来について考える。そうすることで、今の自分を見つめ直すことができるようになる。また、自分の<志>を確認できるようになることを目標に、外国学科3年生の必修科目として「生き方」を開講しております。
6月11日、今年度7回目の「生き方」の授業が、岡山キャンパス(岡山市北区)にて行われ、外国学科3年生など約40名が受講しました。米国コーネル大学医学部心臓胸部外科教授でカタール国ハマド・メディカル・コーポレーション肺移植センター長 大藤剛宏(おおとうたかひろ)先生が講義をされました。
授業の中で先生は、肺移植で世界初の手術を幾度も成功させるなど、世界に無かったものを世に出す、築き上げる「オンリーワン」となった先生ご自身の「生き方」を学生らにお話しされました。まず、世界を知らずには戦えない。そのためには、目的は何であれ、行ってみることが重要である。積極的に世界を見て歩くべし。
先生は、『みなさんがピンチに直面し困った時、困ったら何が原因でそれができないのか?それをクリアするためにはどうするか?クリアする方法がわかれば、それを頭の中でシミュレーションをする、何度もそれを行いうまくいけば、それは成功します。将来みなさんが、どんな分野に進んでも、この「思考プロセス」は重要です。世界初の手術を幾度も成功できたのは、この思考プロセスによって、頭の中で幾度もシミュレーションをした結果です。苦境に立たされた、ピンチとなったからこそ、絶対あきらめないと思い考えに考え、そうして世界初を幾度も成功してきました』と「思考プロセス」の重要性を説かれました。
オンリーワンを極めるためには、「自分の好きは何?」「自分の得意は何?」「自分の強みは何?」の質問を自ら課し、好きなこと・やりたいこと・得意なことに集中すべきだ。好きであれば、努力をする、つらくても、勉強が続けられる。努力しない人は大成しない。常に努力あるのみ。日々いろいろな決断を下す。その中で、大きな決断をする時は、自分の限界を知り、自分を過小評価できないといけない。過小評価する判断力が求められる。過大評価すれば、失敗する。
最後に、学生から質問がありました。「最初に大きな決断をされたのはどんな時でしたか?」との質問があり、大藤先生からは、「最初の海外での肺移植手術を実施するかどうかを決めた時でした。大きなプレッシャーを感じましたが、頼りになる手術チームを編成し、現地スリランカの病院関係者との連絡調整も十分行い、準備万端で臨みました。」と。ある留学生からは、「やめたいと思ったことはありませんでしたか?どのように乗り越えましたか?」との質問があり、大藤先生から「患者さんが手術後、原因不明の病気でなくなられた時でした。本当に悩みました。でも、その難局を救っていただいたのは、亡くなられた患者さんのお母さんのことばでした、、、」と率直にお話しいただきました。最後に、「大事なオペの前は何をされていますか?」との質問がありました。それに対し、「準備を万端にし、何度も何度も手術のシミュレーションをするのです。何度も何度もです。いろいろな不測の事態が生じても大丈夫だというレベルになって手術をするわけで、手術台に立った時には手術は終わっている。学生のみなさんもプレゼンテーションとかいろいろあると思うけど、とにかく練習をする、何度も練習してください。その努力は必ず報われます」と、大藤先生から助言がありました。




