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【外国学科】山陽新聞社会長 松田正己先生「生き方」講義「人生に無駄なことはない」
- 外国学科
外国語学部外国学科の授業科目「生き方」にて、山陽新聞社会長 松田正己先生による授業が、7月9日、岡山キャンパス(岡山市北区)にて行われました。本年度授業としては第12回目になります。
冒頭、松田先生から、現代は新聞・TV・ラジオの時代から、SNSが情報をリードする時代となっている。そして、発信元が良く分からない、切り取り型の情報が氾濫しており、SNSを利用する人は要注意。情報が氾濫する中で、新聞が担う役割を再確認する必要がある。新聞は、人と人をつなぐ、人と企業と社会をつなぐ「メディア」である必要あり。慎重に情報を確認された記事を扱う。なお、トランプさんは、ネットの力、要はSNSの発信力をフルに活用して、米国大統領になった。その中で、少数意見はどうなるなど、これまでの民主主義に対する挑戦が増えている。その意味で、民主主義は大転換点にあると言えよう。
SNSを通じた情報の氾濫、生成AIによる、大量の学習データに基づくテキストの出現など、大きな変化の時代にあって、どのように正しい情報を得るのか、どのように選択すべきかが問われてくる。人間は、脳科学者が指摘しているとおり、安易に流れやすい、中途半端な判断をしかねない、人の意見に流されやすい。常に正しい選択をしているか、多面的・多角的に物事を見て論理的に考えているか、日頃から意識しないといけない。今だからこそ、真偽を見極める眼が重要な時はない。「情報的健康」という考え方がある。情報はバランスよく、多くとりすぎない。「多様な視点」「情報との距離」「信頼できる情報源」を日頃から意識して実践すべきである。
新聞記者になりたいという強い思いがあって、山陽新聞社に入社した。本社の社会部や政治部にいた時は夢中になって働いた。玉野支局や高梁支局での勤務を経験し、地域の行政、産業、教育など幅広く取材した。いろいろ考え、がまんする。この中で学んだことは、” Say yes!”である。やりたいかやりたくないかは別として、やれと言われたことはやってみることだ。逃げてはいけない。ギリギリまで頑張る。取り組んでみると、解決の糸口が見えてくる。みなさんも、Say yes!で社会人として取り組んでもらいたい。
最後に、松田先生から、「現地に神宿る」のごとく、現地に行かないと分からないことがある。人が言っていること、ネットの記事などを鵜吞みにしないでほしい。そして、「人生には無駄なことはない」から、多くのことにチャレンジして生きて欲しいと、学生にエールを送っていただきました。
学生から質問がありました。最初の質問は、多くの情報を扱う仕事をされる中で、情報の真偽を確認する対策はどうされたのか。これに対して、先生から、裏どりを必ずしていたこと、デスクなど上司の視点を尊重し偏った判断をしないように留意したとのこと。また、ベトナム人留学生から、ネット情報の確認の仕方について質問があり、先生から、情報源や発信元を探ることが重要で、要確認すべきとの回答がありました。
外国語学部外国学科では、「先達に学ぶ、人生のより良い『生き方』」をテーマとし、これまで日本を創ってきた人々、豊かで平和な社会を築いてきた人々の<生>の声を聞き、学生一人ひとりが、この国や社会のためにできることは何か、また自らが幸福な人生を送るために何をすればよいのか…等、それぞれが自分のあるべき将来について考える。そうすることで、今の自分を見つめ直すことができるようになる。また、自分の<志>を確認できるようになることを目標に、外国学科学生の必修科目として「生き方」を開設しております。




