アニメーション文化学部 アニメーション文化学科
キビコクVOICE
在学生の声
アニメーション制作に関わる
新しい発見があります。
アニメーション文化学部 アニメーション文化学科 板野 有那さん (岡山県立総社高等学校 出身)
もともと本を読むことや、絵を描くことが好きで、将来はイラストレーターや出版関係の仕事に就きたいと思い、父にも本学科を勧められて興味を持ち、志望しました。
本学科のデッサン基礎の授業では実際に人間をモデルにしたデッサンを描く授業や、イラスト基礎の授業で人体構造を学んだりできるので、Clip Studio Paintなどのソフトを使ってキャラクターを描くときに役立てることができました。また、アニメーション企画は、制作全体を調整する役割があることなど、アニメーション制作に関わる仕事や流れがわかっておもしろいです。
アニメーション文化学科の4年生・平田萌々子さんが、来春(2025年春)、東京の難関アニメスタジオ”WIT STUDIO”に就職することになりました。
“WIT STUDIO”というのは、テレビアニメ『進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』『SPY×FAMILY』、劇場アニメ映画『ハル』などの制作で知られる超有名なアニメスタジオです。 "WIT STUDIO"のHPは、こちらをクリック。
その平田さんが自身の就活体験記を書いてくれているので、こちらで紹介しておきたいと思います。地方の大学であっても都心の有名アニメスタジオに就職できるというのは、とても夢のある話だと思います。 もちろん、学生本人の覚悟とそれなりの準備が必要なのですが、それについては体験記をぜひご覧になってください。
学科ブログでも掲載しておりますので、こちらから。
私はアニメ会社の仕上げ職で就職活動を行い、来年度春からウィットスタジオで働かせてもらえることになりました。就職活動で大切にしたことや体験したことを、ここに記します。
まず、私の学科の先生方は皆口を揃えて業界を目指すのであれば早めの決断をすることと、先生へ相談することを学生に伝えていました。少なくとも就職活動が本格的に始まる半年前、作画を目指す人であればもっと早い段階で言わなければなりません。私はその先生の言葉通りに動いただけです。
就職先に迷いがあった二年生の終わりで、冨田先生による就職説明会があると聞き、三年生に混ざって参加した上で、アニメ業界への就職を決意しました。仕上げ職を希望したのも同時期です。周りからの評価と自分の感覚から分析して、私は色彩感覚と丁寧さに強みがあると思い、仕上げを希望して、説明会後に冨田先生へ相談とポートフォリオの制作方法を聞きに行きました。
その後、三年生に進級してからは一年間ポートフォリオの制作を行いました。絵はゼミ担当の佐々木先生に添削してもらい、余裕をもってポートフォリオは完成させました。三月頃から大手会社は採用募集を始めていた為、その時期からマイナビとリクナビに張り付いて端から端までリストに入れて、春は四社受けました。
履歴書は全て佐々木先生に見てもらってから提出しました。提出物も必ず先生に確認してから応募するよう言われていたので、個人的に気楽に連絡ができる佐々木先生に相談していました。
春に受けた会社は一社が書類選考の段階で、三社は面接で落ちました。面接を受けた会社の、三社のうち二社は二次面接まで辿り着いていたので、ウィットスタジオを受ける際には二次面接での失敗を中心に対策しました。また、面接練習は前嶋先生に行ってもらいました。キャリアサポートセンターの選択肢もありましたが、面接に苦手意識があることと、アニメ業界に詳しくない人に面接官をしてもらっても核心をつくアドバイスは貰えないだろう、と判断した為先生に頼みました。
提出物と面接の準備をする傍らで、不安なことがあれば冨田先生にアポを取って相談や業界話を聞きに行っていました。先生の話を聞いていると就職活動へのやる気や自信も着いてくるので、精神的な補助の面でもたいへんお世話になりました。
前期で全ての会社に落ちた時は流石に少し落ち込みましたが、母の「落ち込んでいる時間は無駄。その間にも採用募集は無くなっていく(要約)」という言葉もあり、納得したので結果が決まって三十分後くらいには次受ける会社を探していました。
そこで受けた会社がウィットスタジオです。前期での反省を活かし、同時に受ける会社を極端に減らしました。前期では対面面接が多く、頻繁に東京を行き帰りしたことが原因で体力と金銭面に限界が来て精神的にも影響が出たからです。端的に言うと病んでいました。
おそらく二次面接で全社落ちたのはそういった原因によるモチベーションの低下だと思い、ウィットスタジオを受ける時点では一社も併願で受けていませんでした。
結果、ウィットスタジオの面接はリモート面接だった上に一回の面接で決まったので、焦って何社も受けなくて良かったです。
ここまでの経験の中で私が大切にしたことは、大人の話を聞きに行くことです。私たちの学科は現役でアニメ業界に身を置いている、もしくは置いていた先生ばかりです。経験者は語るという言葉や、先人の教えという言葉に私は信頼を置いています。当たり前のことですが、経験していない人には語れないことが聞けるからです。特にアニメ会社は情報漏洩に厳しいので、内情把握は経験者に聞くしかありません。
なので、私は先生方が言う事には基本的にすべて聞き入れてその通りに動いたり、人生の先輩という意味では両親が一番身近なので両親の話も熱心に聞いたりしました。最初は研究室に通うことも緊張しましたし、自分から動くのは苦手なので重い腰を上げて行動していましたが、今思えばもっと相談に行けばよかったと思うほど良い経験でした。
私の場合は両親も強く応援してくれていたので、母が先生に話を聞きに行ってくれたことも大きいと思います。今回の内定は、私一人の力で掴んだものではないです。先生方の適切な指導、両親を始めとした家族の支え、友人やアルバイト先でお世話になっている人たちからの応援あってこその結果だと思います。
内定後、本当に沢山の方からお祝いの言葉を貰いました。そしてお祝いの言葉を貰う事でこの四年間、色んな人との関わりがあったことにも実感しました。就職活動は一人の力では成り立たないということを念頭に置いて、苦手な人も多いとは思いますが積極的にいろんな大人の話を聞きに行き、関わりを持ってみてください。
そして自分で考え、正しいと思ったことは聞き入れ、疑問に思うことは聞かなくていいです。よく話を聞くという事は全部鵜呑みにする事ではなく、取捨選択をする事です。自分の考えを形成する為に必要なものであり、今後の社会に求められることでもあるので是非やってみてください。
以上が私の合格体験記になります。この体験記が今後アニメ業界を目指す人の参考になれば幸いです。