吉備国際大学
  1. Home
  2. キビコクNEWS
  3. 学部・学科
  4. 外国語学部
  5. 外国学科
  6. 【外国学科】不透明な国際情勢を生き抜く「足腰の強い経営」とは 3年生が製造現場を見学、グローバル研究の視野広げる
NEWS

キビコクNEWS

【外国学科】不透明な国際情勢を生き抜く「足腰の強い経営」とは 3年生が製造現場を見学、グローバル研究の視野広げる

New 2026年10月21日
  • 外国学科

イランやウクライナなどを巡って国際社会の不安定さが増す中、外国語学部外国学科3年生の3人が20日、日本を支える伝統的な「ものづくり」への影響を探るため、岡山市南区にある有限会社・巻尾鉄工所を見学しました。エネルギー価格の高騰や原材料不足が地方にも影を落とす一方、同社は経営基盤を固め、ものづくりの信頼を守ろうと取り組んでいます。今後グローバル研究を本格化させる学生たちにとって、現場の姿は大きな刺激となりました。

巻尾鉄工所は1970年に旋盤1台で創業。以降、最新鋭の機械を導入し、精密加工技術を磨いてきました。現在従業員は10人で、金属に溝を掘る「キー溝加工」といった、日本のものづくりに不可欠な工程を手がけています。これまでに船舶のエンジン部品の一部加工、海底探査機のスクリューや原子力発電所施設の部品加工などを通して、全国約600社と取引実績があります。11月には岡山県などが主催する「おかやまテクノロジー展2026」(OTEX、技術展示商談会)にも出展します。

この日同社を訪れたのは、外国学科3年の大源獅凱さん、谷口遥妃さん、窪田連也さんの3人で、演習Ⅳ(担当教授・能登智彦)の活動として約2時間かけて最新の施設を見学しました。窪田さんが同社と旧知の縁から、見学を快く引き受けてくれました。

最新の精密機械が並ぶ圧倒的な現場と代替できない「職人技」

2つの工場に足を踏み入れた学生たちの目を引いたのは、ずらりと並ぶ10台の高精度穴あけ機械などです。最新鋭の精密機械を多数導入しているのは日本有数で、キー溝、スプライン溝などと呼ばれる超精密加工などを行なっています。デジタル制御された機械が金属を削っていく様子に、学生たちは見入っていました。

しかし、いかに機械が進化しても、最後の決め手は人による「職人技」です。巻尾優希社長(43)は「金属の材質やその日の気温・湿度によって変化する細かな具合を見極めなければなりません」と説明。刃物の当て方や固定の強さを調整するノウハウは「職人こそが生み出す」と強調しました。最新のテクノロジーを導入する高度化と、長年培われた職人の五感による技術力によって、日本のものづくりをこれ以上衰退させず、信頼を守り抜こうという意気込みが表れていました。

「選ばれ続ける」ためには

巻尾さんは、現代の日本の事業所が抱える悩みについても率直に説明してくれました。イラン情勢やウクライナ戦争の長期化など世界規模の不安定要素は地方の経営にも無縁ではなく、外部環境の変化に耐えうる「足腰の強い経営」を長期的にどう維持するかは「切実なテーマ」と力を込めていました。とりわけ、日本の製造業全体が直面する「後継者不足」という構造的な問題は、技術をいかに次世代へ継承するかにつながるとし、巻尾社長は「未経験者でも挑戦できる育成環境の整備を心がけている」と強調。同社従業員の平均年齢も20代なかばを維持しています。

7年間の米国留学経験もある巻尾さんは、選ばれ続ける製造業であるためには「きれいな工場」「納期の厳守」を最低限のモットーに掲げています。古い町工場のイメージを払拭するだけでなく、「日本人の真面目な気質こそが大切な武器である」と話していました。

見学後の感想

▼大源さん
職人技=古いもの、という固定観念がありましたが、最新の機械を使いこなす若い人たちの職人技をみて印象が変わりました。最先端の現場でも最後は人の経験や感覚が価値を生むのだと実感しました。

▼谷口さん
ウクライナなど国際社会のニュースは遠い地の出来事のように感じていました。しかし資材高騰などもあり、日本のサプライチェーンの根底を支える地方の企業にも直結していると思いました。

▼窪田さん
改めて、地域とグローバルという経済産業構造に触れることができました。日本のものづくり社会を広い視野でとらえ、今後の専門研究に役立てたいと考えています。

最後に/▼能登
教科書やデータを見るだけでは決してわからない製造業のいまとリアルな課題、国際社会との連動を学ぶことができました。今後様々な研究を深める3年生にとって素晴らしい機会となりました。お迎えいただいた同社の皆様に深く感謝いたします。